幼き日のアコガレ。

2004年6月12日
小さい頃、と〜〜っても憧れていた食べ物があります。
食べてみたくてしょうがなくて、
お店やCMで目にする度に母にねだっていました。
ところが母は、
頑としてそれを買ってはくれませんでした。

だめと言われればますます欲しくなる。
そこでこっそり祖父におねだりし、
ようやく食べることができたというオモイデの食べ物。

それは「ねるねるねるね」。

雪見だいふくのように2つに分かれたトレイのかたほうに粉を入れ、
付属のスポイトで数滴の水を落としてかき混ぜる。
そのまま数分間、
ひたすら練る。練る。練る。
するとだんだんと色が変わって、
黄緑や薄紫のトロリとしたペースト状に。
トレイのもう一方には小さいラムネみたいな粒々をあけ、
スプーンに絡めたペーストにそれをたっぷりまぶしつけたらぱくり。
味はというと、
たしかグレープやメロンがありました。

今思えば「これって食べ物なの?」と疑いたくなるような、
いわば添加物のカタマリであるこのお菓子。
母が買い与えてくれなかったのも納得です。
ところが幼かった私にとっては、
とってもワクワクする魅惑の食べ物でした。
当時放送されていたCMには魔女が出てきてほんとの魔法のようにこれを作り、
一口ほおばって「う・ま・い!」と微笑む。
「練って美味しいねるねるね〜るね♪」というキャッチフレーズも忘れられません。
自分で水を加えて様子を見ながらこねくり回し、
好きなようにトッピングできる「作る楽しみ」も大きかったなあ。
確かに体には百害あって一利無しでしたが、
子供たちの喜ぶ「ツボ」をよく押さえている商品ですよね。

でももし私が親になったら、
こういうものは子供に与えたくないなあ…
なんて思ってしまいます。
体に悪いのはもとより、
「食べ物」と「おもちゃ」を混同するのはきっともっとよくない。
食べることを楽しむのも大切だけれど、
それを教える方法は他にいくらでもあるに違いない。

そんなことをちょっと真剣に考えてしまった私でした。

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