夏痩せに、

2004年7月11日
―よしといふものぞ鰻とり召せ。   (大伴家持/万葉集巻十六)

毎年この季節になるとこのうたを思い出します。
なぜってアナタ。
うなぎ、私の大好物だから。
夏痩せも夏バテもしてないけれど、
カラダがうなぎを求めとるんですな、今。
(なんていいつつ一年通してしゅっちゅう食べる私ですが)

蒲焼、白焼、肝吸い、まむし。
うなぎとくればよだれをたらして一目散に駆け出しそうなくらい目が無いのですが、
これほどまで好きになったのってほんとについ最近のこと。
小さい頃はどちらかというと嫌いで、
日曜のお昼御飯がうな丼だったりするとそりゃもうがっかりでした。
骨がチクチク残るあの食感、
お肉でもなくお魚でもなく得体の知れない奇妙な外観。
おまけにやたらとこってり甘辛いタレ。
どうにも好きになれませんでした。
難波の老舗「いづもや」で祖父がよくうな重の折を買ってきてくれたのですが、
うなぎよりもあのぎゅうぎゅうに詰まったもちもちの御飯ばかり食べていました。
(経木のかおりの移ったあの御飯はおいしかったけれど、
あそこのうなぎは今でも言うほど美味しく感じない…うう)

ところが数年前のある日、
突然うなぎの美味しさに開眼。
しかも老舗の味ではなく、
スーパーで買ってきた安物のうなぎ。
私はお砂糖とお醤油をからめたこってり濃い味が嫌いなんだから、
たっぷりのおだしで薄味に炊きなおしてみよう!
と思いつき、
卵抜きの柳川を作る要領で少しだけ煮てみたのです。
付属のタレも使わずに。
するとこれが美味しくて!
安〜いうなぎがふわっと柔らかくなり、
こってり染み込んだ味も幾分うすれてとってもいい感じ。
これくらいの味だと御飯はいらないけれど、
御飯と別々に食べるほうがうなぎそのものの食感をダイレクトに味わえる気がして私好み。
今ではすっかりその食べ方一辺倒です。
(もちろんお外で美味しいうなぎを食べるときは例外で、
うな重でもうな丼でも美味しくいただきます♪)
しかも薄味だとするするいくらでも食べられてしまいます。
(実際、一匹丸ごとでもいけちゃいます)
老舗のうなぎを食べなれていて本当に美味しい味わい方を心得ている方から見れば私なんて邪道の極みなのでしょうが、
私はやっぱり薄味のほうが美味しく感じてしまいます。

コラーゲンやビタミンがたっぷりで夏のカラダに元気を補充、
美容にもいいうなぎ。
とろりと脂がのってふわりとやわらかいその身を思う存分味わうひととき。
風鈴が夜風にチリン。
あ〜、夏って、うなぎって、
なんて素敵な組み合わせなんでしょうね。

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